最近のベストセラーといえば皆さんは何を思い浮かべますか?ハリーポッターシリーズは関連する紙の特需があったくらいに大きなヒットとなりました。また、「世界の中心で、愛を叫ぶ」は近年稀に見るヒットとなったようです。「トリビアの泉」関連書籍はテレビとのコラボレーションによるベストセラーだと思います。それらと並んで最近ヒットしたのが「バカの壁」でしょう。 この「バカの壁」、既に読まれた方も多数おられるのではないでしょうか?特に興味深かったことは、表題にもあるとおり、バカの壁と著者の養老さんが書かれている内容です。「話しても分からない」「知っているようで知らない」「推測を真理と誤解する」「絶対的なものがある」と、このようなことが「バカの壁」であると書かれています。そして最後の方でこれらの壁が大きな惨事となった例として、「キリスト教とイスラム教の対立」とがあげられています。キリスト教も一神教、イスラム教も一神教の為、相手の教義を根本として理解できず、結局としてお互いを悪魔と定義して戦争をしあう。…なんとばかばかしいことだと嘆かれています。そして、日本もまただんだんと一神教の保つ弊害と同じ弊害が出始めているのではないかと警告されています。日本は元々八百万の神が住まう地という多神教の地であり、今でも神道以外に仏教、キリスト教、その他の宗教が混在するお互いの領分には立ち入らない若しくは理解し合えるという特色を持っていました。しかし、ここのところ他の人の気持ちを考えず行動することが多いように感じます。 イラクの3人の誘拐被害者に対して、バッシングが為されたとき、その「バッシングに対するバッシング」が為されたときの自分自身の心の内を思い出してみると、「3人は国の制止を振り切ってイラクに入って国に損害を与えてけしからん!」と思ったり、「3人をバッシングするのは国際的に非常識である。国は国民を保護する義務があるんじゃないか?」と思ったりしませんでしたか?もし同じような感想を持っておられたなら、一度バカの壁を読まれてはどうでしょう?「国民の大多数が同じ意見だからその意見が正しい。」というのがいかに危険かが分かると思います。また、お互いにより理解師会えるための参考にもなると思います。といっても私も同じような感想を持ちました。バカの壁に阻まれずしっかりとした考えを持ちたいと思います。
アオイ洋紙 尾道本店
小島 浩章 |