「弱みを強みに」


 とかく私たちは、仕事を行う上でもプライベートで問題が発生した場合でも、「○○の弱みがあるのでそれを解決しなければならない」というように、弱みを多く列挙して、それを解決しようと発想しがちです。それはそれで必要なことですが、弱みを解決することだけで大きな効果を得られたことはあるでしょうか?満点の決まっている試験などを別にすれば、意外と効果が小さかったときが多かったのではないでしょうか?

 現在遅れていることの解決に努力したところでせいぜい人並みになる程度であり、それで競争する場合に優位な位置に立てる訳ではありません。むしろ強みの分野をさらに強化することにより他者が追従できないレベルにまで引き上げることで、初めて競争で優位に立てるのです。

 じゃあ弱みはどうするのか?そのまま弱いままだったら致命傷にならないのか?といった問題が発生します。勿論弱みをそのままにして放置していい訳ではありません。  ここで、難しいことかもしれませんが、発想の転換をしてみてはどうでしょうか?「弱み」を「解決」するのではなく、「強み」へと変換するのです。

 例えば、PLUSは他社と比べてオフィス用品の流通チャネルが弱いという弱みに対して、通販という新しい流通チャネルを生み出して成功しました。紙や紙製品を扱う会社でこれだけの急成長をしたアスクルは勿論脅威でもありますが、それと同時に学ぶべきものを多く持っていると思います。

 昭和20年代30年代の日本は、石炭増産を旗印にしたのですが、それもエネルギーコストを増加させるだけであり、また、石炭資源も底をついてしまいました。ところが、石炭がないという弱みが、石油への転換を他国に先駆けて行う結果を生み出し、効率のよい設備が多く利用されるようになりました。このことは当時の高度成長を実現に際しての強みの1つとして考えられます。

 自分の弱みは何なのかについて考え、それを強みへと変換することを考えると面白いものが見えるかもしれません。勿論強みを更に強化することも忘れないことも大切だと思います。

 自分自身をの弱みを強みに変換し、また強みを更に強化することでより充実した人生を送っていけるようにしたいですね。

 

 




アオイ福原(株) 尾道本店
小島 浩章


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