「優先順位」


 お盆休みは暑い日が続きましたが、皆さんはいかがお過ごしでしたか?

 私は信州の山に登ってきました。シャトルバスやロープウェイ、あるいはケーブルカーを利用して、雲海を突き抜けると、そこは2000Mを超える山々が連なる別天地です。そこから3000Mの山頂を目指しました。革製の登山靴にテントを背負った重装備の登山者や、タンクトップにパンプスの観光者等の、多種多様の老若男女と共に。

市街地では記録的な残暑だったそうですが、私は御嶽山や立山の雄大な景色の中で爽快なひとときを過ごし、皆さんにもお届けしたかったです。

 しかし広島近郊の低山でも、山頂までの行程は思いの外に厳しく、岩場や断崖の急所が、至る所に待ち構えています。路傍の花々や樹木を愛で、行き交う登山者と言葉を交わしたり、刻々と変わる周囲の景観に癒されながら、やっと山頂に至ります。山では質素な弁当もとても美味しく感じられますが、辛くて長い登山でも登頂した時の最高の気分はほんの一瞬。

下山は疲れた身体を引きずり、膝ガクガクの苦痛が待っています。それなのに何故、私は山へ登っているのでしょう?

未だに答えは出ませんが、また週末は近郊の山々を目指します。

 

 




アオイ福原(株) 広島本店
高 美由紀


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