『クッションことば』


 私たちは毎日、電話や訪問先でコミュニケーションをとっています。このコミュニケーションをとることの難しさを感じ、悩むこともあると思います。何とかスムーズにコミュニケーションをとる術はないでしょうか。

 その方法として、ある本によると「クッションことば」と呼ばれる語があるそうです。

 では、どのようなことばがあり、どのように使えばよいのでしょうか。よく耳にするクッションことばとして、恐れ入りますが、お手数ですが、恐縮ですが、申し訳ありませんが、差し支えなければ、等々です。

 例として、「恐れ入りますが、こちらの企画書について、ご検討いただけないでしょうか」このような、クッションことばを用件の前にひと言添えることで、相手との気持ちの交流がスムーズになりやすいのです。

 電話の受け答えではさらに大きな意味合いをもっています。それは、皆さんが電話を受けたとしてかけてきた相手の「○○株式会社」という名前をすぐに聞き取ることができますか? いきなりでは「○○」を聞き取るのはかなり困難です。「株式会社」は聞き取れます。それは、私たちは「株式会社」ということばをよく知っていて、日常よく慣れ親しんでいるからです。しかし、「○○」のような固有名詞は、一回聞いただけではすぐに理解するのは大変です。理解するには、準備が必要です。

 準備の時間を作るのが「クッションことば」です。「お忙しいところを失礼いたします。こちら、○○株式会社と申します。いつもお世話になっております…。」このような話し方をするとかなり明確に相手に伝わるはずです。相手は「お忙しいところを失礼いたします」を聞きながら、次に出てくることばを聞き取る態勢を整えているのです。

 この場合のクッションことばは、相手に対する礼を尽くしていると同時に相手に態勢を整える余裕を作り出しているのです。このようにクッションことばはコミュニケーションを図る大事なきっかけになると同時に相手に対する敬意を表しているのです。

 このクッションことばのバリエーションを増やして、さまざまな機会で日頃から使いこなせるようにしていきましょう。




アオイ福原(株)
広島本店 石丸 真須己


戻る