「2014 夢メッセ」


 先日KKRホテル広島で開催された「印刷産業 夢メッセ」のセミナーに参加してきました。2日間に渡って開かれますが、2日目の株式会社アオキ 青木豊彦会長の基調講演が特に印象に残りましたので少し紹介させて頂きます。

 すでにご存知の方もおられるとは思いますが、東大阪市の鉄工所の会長さんです。(2011年までは社長職)鉄工所であるこの会社は、わずか35名の従業員数で、高度な加工技術を活かし、大手有名企業を差し置いて、米ボーイング社の厳しい審査をパスし、世界最小の認定工場として航空機部品の製造を任されたのです。

 のちにボーイング社の審査担当者に「なぜうちのような会社が認定されたのか」と尋ねたところ「社員の目がみんな輝いていたから」と言われたそうです。

 その後も東大阪の町工場数社と人工衛星の開発プロジェクトに取り組み、数年掛けて「まいど1号」という名の人工衛星を完成させました。2009年1月にH-2Aロケットに打ち上げられ、見事成功裡に終わり「まいど1号」の名を世に知らしめました。

 東大阪市のモノづくりの企業は景気の良かった頃のピーク時には、約12,000社もあったそうです。それが倒産や高齢化などでの廃業により約10,000社になり現在では約8,000社にまで落ち込んでいるそうです。もう数年もすると5,000社にまでなるかもしれないとも言われています。その東大阪市のモノづくりの灯を復活させたいとの思いで、手段として人工衛星を作り、モノづくりに若者に来てもらうことが本当の目的だったそうです。

 現在、創業100年を超える会社はイギリス・アメリカでも各80社そこそこで、日本には20,000社以上もあるそうです。そのほとんどが中小企業だということです。

 「もっと日本人の誇りを持ちましょう」と熱く語られていました。

 小さい頃から飛行機が好きで宇宙に興味を持っていたらしいのですが、夢を形にされたのだと思います。会長職になられた現在は東大阪市モノづくり親善大使をされ、東大阪市の町工場に全国から修学旅行生、大学生、海外からもたくさんの人が視察に訪れモノづくりの観光スポットとして脚光を浴び、JTBの観光コースにもなっているそうです。  東大阪市に行ったときは一度立ち寄ってみるのも面白いかもしれません。




アオイ福原(株)
広島本店 石丸 真須己


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