「地道を超える魔法などない」


 初春のお喜びを申し上げます。

 今年も健康で過ごせる良い年でありますようお祈り申し上げます。

 昨年末の衆議院選挙も自民党の勝利に終わり、円安もここまで進むと値上げ値上げで紙業界も厳しい年明けになると思いますが、これをむしろ好機と捉えて前進あるのみです。

 最近気になっているのは異業種からの参入がどんな形で現れるかという事。というのも、コンピュータのスペックや能力がアップしたことで、仕事の効率が大幅にアップしてきている。コンピュータの登場や発達でなくなった仕事や新しく登場した仕事もある。

 漫画を描いている作家さんでも、画用紙に向かって1ページずつ描いている人は少なく、コミックスタジオとかのソフトを使って、液晶タブレットで描く人が増えているらしい。

 漫画を購入する側でも一緒。ネットで立ち読み(試し読み)し、ネットで注文。それをオンデマンドで1冊から印刷出版という時代がやって来ている。

 業界においても、プリンター(コピー機の様な)の台頭で、印刷業界以外からの参入があり、紙の市場や流通なども変わってきている。

 そんな事を思っている時にNHKのプロフェッショナルという番組でマンガ編集者の佐渡島庸平さんの放送を観て感じるところがあった。

 マンガ編集者の仕事の基本は、漫画家に資料やアイディアを提供し、創作を後押しすること。この佐渡島氏の凄い所は、生み出された作品を売り込むためにあらゆる手を駆使する。マンガに音声をつけた動画を利用したり、口コミで評判を広げるために本を美容室400軒に配ったり、あらゆる手を駆使する。

 大掛かりな仕掛けではない。地道にさまざまな方策を試していく。

「魔法の一手はないんだと思って、みんなが面倒だと思う作業を1個1個丁寧にやっていく。それがヒットにつながるとイメージできれば、楽しみながら出来る」「地道を超える魔法などない」の佐渡島氏の言葉に感銘を受けた。

 楽して成功した人はいない。失敗の多さが価値になると信じて。

 今年も背筋をピンと伸ばして、楽しんでがんばりましょう!




アオイ福原(株)
顧問 小島 誠之


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