昆布は「海の野菜」

 昆布はビタミン各種、ミネラル、食物繊維、ヨードなど私たちの健康に必要な栄養素がたっぷり含まれているアルカリ性食品です。「海の野菜」、「ミネラルの宝庫」などと言われますが、野菜だけでなく肉なども含めた様々な食品何種類分もの栄養素が含まれている上に低カロリー。まさに理想の健康食と言える食品です。

 高血圧や老化を防ぐ働きがあるヨードは他の食品より断然多く含まれ、また昆布のぬめり成分である多糖類のアルギン酸やフコイダンには血圧低下作用や血栓予防効果もあることがわかってきました。フコイダンは内臓に効率的に働きかける栄養素として最近特に注目され、潰瘍の予防修復の作用や肝機能の向上、そして癌の発生・進行を抑える作用があるとされ脚光を浴びています。他にも、昆布特有のアミノ酸で血圧を下げる働きのあるアラニン、動脈硬化を予防するカロテンなども含まれています。

 さらに、昆布のうまみ成分グルタミン酸には脳の機能を活性化させ、認知症の予防効果もあります。味の面では、グルタミン酸のうまみをきかせる味にこくが加わり、食材の風味を増す効果があります。

 つまり、グルタミン酸を取り入れた食生活は塩分を抑えた食事につながり、間接的にも健康に寄与します。また、うまみには相乗効果があることが知られており、例えば昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸を合わせると単独の時よりはるかに強いうまみが得られます。昆布と鰹節から取る日本料理の一番だしなどはうまみの相乗効果を経験的に知り、料理に応用してきた好例と言えます。

 もう一つ、うまみ成分には唾液の分泌を促す効果も知られておりドライマウスの治療に応用する取り組みも始まっています。

 皆さん昆布をどんどん食べましょう。

アオイ福原(株)
尾道本店 小林英昭

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