「リオ五輪閉幕」

 南米で初めて開催されたリオデジャネイロオリンピックは、17日間の熱戦を終え閉幕しました。観戦で睡眠不足の人もいたのではないでしょうか。

 始まる前はテロなどの治安や運営のずさんさなど取りざたされ、またロシアのドーピング問題もあり不安な面もありました。しかし、こうした問題など関係なく、終わってみればとても良い大会だったと思います。特に日本にとってはかつてないほどの成績を残しました。

 金12・銀8・銅21とこれまでで、過去最多となる41個のメダルを獲得した日本選手の活躍は見事でした。

 私が特に印象に残ったシーンでは高橋・松友ペアのバドミントンがあります。バドミントンというとまだマイナー競技のイメージがあり、あまり興味はありませんでした。たまたま、その試合を中継していてドキドキしながら、見入っていました。このコンビが世界ランク1位であるということは知ってはいましたが、特にオリンピックという舞台では、ランキング1位が必ずメダルを取るとは限りません。第三セット16-19となり、相手があと2ポイント取れば敗れるところでしたが、そこから立て直して5ポイント連取。最後まであきらめず大逆転で見事金メダルを獲得しました。

 男女の卓球も同様に競技自体、それほど興味はなかったのですが、とてもスリリングで面白い競技だと実感しました。男子団体銀・個人水谷選手銅・女子団体銅メダルを獲得し、今後ますます卓球への注目が高まるのではと思います。

 伊調馨選手のレスリングでは、残り時間数秒という終了間際の逆転で判定勝ちし、五輪全競技を通じて史上初の女子個人4連覇を達成しました。私のなかでの番狂わせはレスリングの吉田沙保里選手です。金メダル候補では、一番盤石だと思っていましたが、まさかの銀メダルに終わったことでした。もちろん銀メダルはすばらしい成績ですが、世界選手権16連覇という圧倒的強さを誇った選手が敗れたことはショックでした。吉田選手本人だけでなく、吉田選手に憧れ、目標にしてきた女子金メダリストの選手たちもが会場で号泣していました。日本レスリング協会の会長は吉田選手を「彼女がいたから若い人が金メダルを取れた。金以上の価値がある銀メダル」と称えました。まさに吉田選手の姿勢と人柄だと思います。

 そして、圧巻だったのが男子100m×4リレーでの銀メダル獲得です。100m決勝に残れず、9秒台が一人もいないチームでの走りは世界中に衝撃と感動を与えました。世界に比べて劣る走力を、日本独自のバトンパス「アンダーハンドパス」でジャマイカに次いで見事2位。3月から練習を積んできたそうですが、仲間を信頼しあいチームワークがもたらした勝利だと思います。他にもさまざまなシーンでたくさんの勇気と感動を与えてくれたリオ五輪でした。

 次回の東京五輪はどんな活躍を見せてくれるのでしょう。4年後が楽しみです。

アオイ福原(株)
広島本店 石丸 真須己

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