「サクラ」

 この頃、帰宅時に日が長くなっている事と、気温の変化で冬の終わりを感じます。春が近づき暖かくなってくると、サクラの開花情報が話題に上ってきます。開花とはサクラの木の花が数輪咲き始めた状態のことで、8割以上の花が開いた状態になると満開になります。とはいっても、生長具合は木々によって違いますので、気象庁や気象台は標本木を定めて、毎年同じ木を観測するようにしています。春になると、予報官が直接標本木のある公園や神社へ出向いて、目で観測しているそうです。

 古来よりサクラは殻物の神が宿るものと大切にされてきた日本を象徴する馴染み深い植物です。サクラは「バラ科サクラ亜科サクラ属」の落葉樹で、ウメやモモもサクラ属の仲間です。ヒマラヤを原産とし、アジアを中心に北半球に広く分布しています。中国や朝鮮半島では日本と同じ種類のサクラも見られるそうです。

 しかしヨーロッパへ行くと、日本で見られるような美しい花の咲く種類はありません。北米大陸には、元々純粋なサクラは存在しませんでしたが、ワシントンなどでは日本から送られたサクラが、毎年美しい花を咲かせています。

 日本で最も有名なサクラといっても過言ではないのがソメイヨシノです。日本に咲くサクラの80%はソメイヨシノだと言われています。気象庁の発表するサクラの開花予想も、ほとんどがソメイヨシノを基準にしています。ソメイヨシノの桜前線は1月下旬から約4カ月にわたり日本列島を縦断します。花びらは楕円形で一重となり、花柄は長く伸びることが特徴です。咲き始めは淡紅色ですが、満開になると白色に近くなります。

 その他にもサクラは日本国内だけでも、固有種や交配種を含めて600以上もの品種が確認されているそうです。

 サクラと言えば、やはり花見ですよね。毎年花見に行かれている方も多いと思いますが、意外とサクラの花を、じっくりと近くで観察された事がない方もいるのではないでしょうか。私もきれいなサクラを、なんとなく眺めていたように思います。今年は花見に行った際には、サクラの花びらの色や形などにも注目して、楽しんでみてはいかがでしょうか?

アオイ福原(株)
福山支店 村上 英之

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