「企業が社会貢献を行う理由」

 企業が社会貢献活動を行う理由は、どのようなものでしょうか。企業というのは、事業活動を通じて、モノやサービスを提供する事で、社会に貢献する存在です。ともすれば企業の存続のために事業活動が存在すると思われがちですが、本来はその事業の存続のために企業は存在しており、その事業が提供するモノやサービスが社会にとって不要になれば、企業も不要になります。

 そういった意味では、企業そのものが「社会貢献活動」であり、それ以外のいわゆる社会貢献活動は企業が行う必要はない活動だと捉える事もできます。ですが、果たしてそうでしょうか。企業活動から生まれる社会への貢献は、実際にはモノやサービスの提供だけではありません。例えば次のようなことが考えられます。

 ・雇用(働く場と賃金を提供する)
 ・納税(行政を通じて直接関係のない人たちに利益を配分する)
・人材を育成する(社会の役に立つ人材を育成する)

 これだけあると、企業の社会に対する貢献としては十分な気もしますし、「事業活動こそが社会への貢献であり、社会貢献活動など必要ない」と言うのも、あながち無理な話ではないように聞こえます。

 確かに、それだけで済ませてしまっても良いのです。が、これらの価値をさらに強化する方法があります。それが、事業とは異なる活動としての社会貢献活動です。

 ・ブランドイメージを向上させ、モノやサービスの価値(満足度)をより高める
 ・より良い人材を獲得する
 ・より幅広く、社会にとって価値の高い人材の育成

 そしてもちろん、その活動自体が社会に良い影響を与えることで、社会そのものの持続性が高まるという本来の価値もあります。

 しなくても良いかといえば、その通りかもしれませんがもったいないかもしれませんよ、というのが企業にとっての社会貢献の位置づけであり、取り組む理由なのかもしれません。社会貢献活動は、その活動が良い事だから行うものではなく、そこからもたらされる価値に意味があるから行うもののような気がします。

アオイ福原(株)
広島本店業務部

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