「コラム」
今年も早いもので3月に入りました。卒業式、春休み、入学式、お花見などなど、 イベントが目白押しで人の動きも活発になるはずの時期ですが、今年は新型コロナ 流行の影響でイベントの中止や自粛が広がり、人の動きがかなり鈍っています。 私たちの業界でも、イベントの中止の影響を受けてチラシやパンフレットの印刷 がなくなったりと、マイナスの余波を大いに受けていますが、観光地や飲食業は 我々以上の大打撃を受け、危機に直面している状況です。 今現在、国の政策もあり、我々にできることはあまり多くありませんが、落ち着いた時 に出来ることを今から考えておくことも、一つの方法なのではないでしょうか。たとえば、 ゴールデンウィークに向けて、遊びや旅行の計画を立ててみるのもいいかもしれません。 私もいろいろと考えているのですが、行ったことのない県内の施設で非常に興味のあるも のがあります。足を運ばれたことのあるかたもいらっしゃるでしょうが、三次市にある「日 本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)」です。 実は三次市は、日本で一番と言ってもいいほど有名な妖怪物語「稲生物怪録」の舞台とな った土地で、妖怪との縁の強い土地なのです。この「稲生物怪録」のあらすじは、三次市に 住む稲生平太郎という男の家で30日間妖怪などによる怪異(紙が蝶のように舞う、ほうき が勝手に家の中を掃く、女の生首が笑いながら飛び回り顔を舐めてくる、など)が続いたが、 平太郎が驚かなかったため、30日目に妖怪の頭領とされる「山ン本五郎左衛門」によって 平太郎の豪胆が褒め称えられるといったものです。 この作品は平田篤胤、泉鏡花、折口信夫といった著名人に研究されていたり、近年では荒 又宏、京極夏彦、水木しげるの作品に取り上げられたりと、成立から今日に至るまで非常に 強い影響力を持っているにもかかわらず、舞台である三次市は今までほとんど注目されてき ませんでしたし、作品にゆかりのある土地であることのアピールもあまりできていませんでした。 しかし、去年の春に「日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)」がオープンしたことで状況は変わりました。 「稲生物怪録」の本や絵巻の展示をはじめ、チームラボとのコラボレーションによる妖怪遊園地、 日本の妖怪の常設展にテーマを設けた企画展と力を入れた展示や企画が目白押しになっています。 なかなか外出しにくいこの時期に、あまり興味のない人もせっかくですから妖怪のことを調べて、 落ち着いてから「日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)」に行ってみることも考えてはどう でしょうか。少し足をのばして島根県まで行けば、「水木しげるロード」に「水木しげる記念館」い ったゲゲゲの鬼太郎関連の妖怪観光地もありますので、そちらもオススメです。 今現在の景気の停滞はいかんともしがたい状況ですが、この状況が緩和してきたら、せめて近い所からでも景気の回復に協力していきましょう。
アオイ福原(株)
広島本店 石田知也 |