「アナログ回帰」

 近年デジタルからアナログへの回帰現象が起こっています。音楽業界ではサブスクリプション サービスが広がり「所有する」のではなく「利用する」するという価値観が浸透しストリーミン グ配信の普及が拡大しCDの販売減少する中アナログレコードの売り上げが劇的に伸びています。 1980年代後半からCDの普及でレコードの売り上げは減少していくのですが、生産枚数でみると 2000年には191万枚、2009年の10万2000枚まで落ち込みますがここで底打ちとなり徐々に回復して いき2021年には190万7000枚まで回復しています。欧米ではアナログレコードの売り上げがCDを超 えるほどの人気となっています。

 アナログ回帰はカメラにも起きています。スマートフォンのカメラ性能が向上しデジカメ の市場は縮小が続いていますがインスタントカメラや使い捨てカメラが売れているそうです。現像 するまでどんな写真に仕上がっているか分からないワクワク感やデジカメやスマートフォンにはな いレトロ感のある仕上がりが人気の要因になっているそうです。

 このブームを牽引しているのは10から20代の若い世代で全く新しいツールとし てとらえており、レコードをセットし針を慎重におろす、写真をわざわざ現像するといったように 手間をかけることが逆に新鮮で愛着を深めているようです。

 デジタル化の影響で紙離れが進む中でも手帳の売り上げは毎年伸びています。

 出版不況と呼ばれる中、新聞や雑誌は減っていくばかりですが漫画は電子コミックの シェアが広がる中でも単行本は下げ止まりとなるなど悪い話ばかりでもありません。

 紙の風合いや手触りが良いという人も多く、小説や漫画など気に入った作品は紙の本 を選ぶ人が多いそうです。

 紙の需要は年々減少していますが、SGDsの普及で紙は環境面で見直されつつあ ります。アナログへの回帰によって新たな需要も生まれており悲観するばかりでなく希望を持 って仕事に取組んで行きたいものです。       

アオイ福原(株)
広島本店 石佐 直文

戻る