「ダブル連結トラック」

 昨今、新聞やニュース等で「2024年問題」を目や耳にするかと思います。 「2024年問題」とは、来年4月の働き方改革関連法施行により、トラック運送業界に発生する諸問題のことを指します。

 具体的には、ドライバーを対象とした時間外労働の上限が年960時間と短くなる事で、輸送能力が不足し、モノが運べなくなる 事によって「運送会社の利益減少」「ドライバーの収入減少」「荷主が支払う賃料の高騰」「人材確保困難」などが想定されています。特 に危惧されているのが、「運転手不足」です。深刻なドライバー不足と高齢化に直面しており、少子高齢化による労働人口の減少が進む ことで、今後ますます人材確保が困難になるとも言われています。

 それら想定されている諸問題に対し、一つの解決方法として「ダブル連結トラック」を活用する動きが広がっています。

   「ダブル連結トラック」とは大型トラックの荷台の後ろにトレーラーの荷台部分をつなげることで、1台で2台分の荷物が運べるようになったトラックのことです。

 2017年から安全性や輸送効率、駐車スペースの確保、ドライバーへの負担など、さまざまな課題をクリアするために実験や調査、環境の整備が行われており、 2019年1月に導入が解禁されました。

 もともと「フルトレーラー」という形で大型トラックの荷台の後ろにトレーラーを装着することはありましたが、車体の全長は21mまでと決め られていたため、後ろに装着されるトレーラーは短いものでした。それが、規制緩和によって全長25mの車両まで使用可能になったことで、一般 的な大型トラックの荷台とほぼ同じ大きさのトレーラーを、トラックの後ろに取り付けられるようになりました。1台の車体で大型トラック2 台分のはたらきをするハイスペックな車両です。解禁当初は、一部の高速道路のみが対象だったが、昨年秋に対象路線が大幅拡大し、主要高速道 路ほぼ全てでの走行が可能となりました。

 これにより、大手運送会社間での共同輸送が可能になり、中継運送や、大量輸送といった効率的、運転手への負担軽減、CO2排出 削減といった面でも非常に有効な手段になるのではと思われます。

 私はまだ直接見たことはないですが、今後高速道路や一般道でもトラックターミナル〜最寄りのIC間では見かける事が増えるのではな いでしょうか。注意点として、非常に長い車体になるので、高速道路等で追越す際、走行速度に気を付けなければいけません。              

アオイ福原(株)
福山支店 井上 宜幸

戻る