ペットボトル症候群

あっという間に梅雨が明けて夏を迎え、これから本格的に暑い日が続きます。
暑くなると水分補給で清涼飲料水を飲む機会が増える方も多いのではないでしょうか。

皆さんは甘い飲み物の過剰摂取が原因で起こる「ペットボトル症候群」という病気があることをご存知でしょうか。

ペットボトル症候群とは、糖分を多量に含む清涼飲料水を短時間に大量摂取することで、血糖値が急激に上昇し、インスリンが追いつかなくなる「急性の糖代謝異常」です。1990年代に報告されて以来、特に若年層や学生、スポーツ後に手軽にエネルギー補給したい人々を中心に増加しています。

代表的な原因は、炭酸飲料やスポーツドリンク、フルーツジュースなどのペットボトル飲料です。500mLあたり約40~60gの糖質が含まれ、角砂糖10~15個分に相当します。暑さや運動後の渇きを潤すつもりが、知らず知らずのうちに過剰摂取を招くのです。

参考までに市販の飲料500mLあたりの糖分含有量の例は以下の通りです。

・コーラ系飲料
 →約56g(角砂糖約14個分)

・スポーツドリンク
 →約31g(角砂糖約8個分)

・甘いコーヒー飲料
 →約25g(角砂糖約6個分)

・100%オレンジジュース
 →約51g(角砂糖約13個分)

 初期症状は、口の渇き、多尿、倦怠感、頭痛など。症状が進むと急激な脱水とケトーシス(ケトン体増加)により、重症化すれば意識障害やけいれんを引き起こすこともあります。

特に持病のない若年者ほど、異変に気づかないリスクが高いのが特徴です。

対策としては、飲料を選ぶ際に成分表示を確認することです。なるべく糖分ゼロや無糖のお茶・水を選ぶように心がけ、こまめに水分補給する習慣をつけましょう。


広島本店 石佐 直文

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