「白って200色あんねん!」は本当か?

 以前、アンミカさんが「白って200色あんねん!」という発言でバズっていたのを覚えておられるでしょうか?聞いたときに、「そんな大げさな!」って思った方も多いかもしれません。事実、私も聞いたときは最初はそう思いました。

 しかし、わたしたち紙屋は、お客様から「この紙って何かなあ?調べてくれない?」と言われてサンプルを預かり、探すときに四苦八苦する場面が時々あります。その時は、「白い紙なのに同じ色目の白がなかなかみつからないなあ!困ったなあ!」となっていたりします。つまり、白い紙だけでもたくさんあるのじゃないか!と、思いました。

 なので、今回は、白い紙が200種類以上あるのか調べてみました。なお、調べるにあたって、厚さ違いの紙や見分けがつかない紙は同じ紙とみなし、銘柄が違ってなおかつ見分けがつく紙のみを1種類としました。(例:「ニューVマット」と「ニューVマットNA」と「ニューVマットFSC認証」は全て同じ紙とします。)

 まずは上質紙です。我々もよく使っている紙の手帳2025年版での記載順で並べると、「OKプリンス上質」「ユトリロ上質」「雷鳥上質」「npi上質」「しらおい」「キンマリV」「キンマリSW」「紀州上質紙N」「S金菱」と9種類あります。そして実は上質以外の非塗工の印刷用紙も18種類あります。

 続いて、アート紙、コート紙ですが、アート紙は12種、A2コート紙はグロスが10種とマットが12種、A3コートと微塗工紙は合わせて30種以上の紙があります。

 このように、ここまでで一般的な印刷用紙だけでも90種以上の紙があり、それぞれに見分けがつくようなっています。


 そして、印刷用紙には一般紙とは別に特殊紙という特別な風合いを持つ紙があります。その特殊紙は、一般紙以上に多くの種類があり、次の写真のように16冊以上の白い紙だけ集めた見本帳があります。

 上の写真の見本帳群に入っている紙が62種、下の写真の見本帳群入っている紙が69種とたくさんの種類の紙があります。

 そして特殊紙の場合は、ホワイト・スーパーホワイト・オフホワイトのように同じ銘柄の中に何種類もの白い紙がある場合もあります。


 なので、最初に数えた90種と合わせ、200種以上の紙を「印刷用紙」だけでも見つけることができるのです。私も正直、アオイ福原に入るまで白い紙がこんなにたくさんあるなんて思ってもいませんでした。


 他にも、「コピー用紙」「書籍用紙」「画用紙」「ボール紙(板紙)」「色上質等の色の入った紙の中の白い紙(色上質 白など)」「包装用紙」「和紙や奉書紙・大礼紙」…などなど、様々な白い紙が世の中にはあります。


 なので、「白って200色あんねん!」は、正しくは「紙だけでも白って200色以上あんねん!他の素材も合わせたらもっともっとあんねん!」となるのではないでしょうか。

 そして、白だけでもこのようにたくさんの種類の見本帳が当社にはございます。もし気になる紙がありましたら、当社営業までお問い合わせいただければ幸いです。


アオイ通信 2025年8月 第11号より

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